1-2.火山について
<火山の分布>
火山とは地下のマグマが地表近くに達し、噴出した結果作られる地形のことで、必ず
しも凸型の地形ばかりでなくカルデラのような凹型の地形も含まれる。
地球上の火山の分布はプレート運動と密
接な関係がある。火山の多くはプレートの
生産境界である海嶺や、消費境界である海
溝付近(サブダクション型)に集中して分
布している。一部の火山はプレート内部の
特定の場所に集中している。日本列島をは
じめとする環太平洋上の火山の殆どは、海
洋プレートが陸や島弧に衝突して
沈みこむ場所にあるサブダクショ
ン型である。
<活火山>
活火山という言葉をよく聞く
が、これは気象庁に事務局を置く
火山噴火予知連絡会が 1991 年に
「過去おおよそ2000 年以降に噴出
した火山及び現在噴気活動が活発
な火山」と定義している。日本に
は現在 86 の活火山がある。この
2000 年という数字は国際的に決め
られたものではなく、また、火山
学会の総意でもない。将来、火山
噴出物の調査が進めば日本の活火
山の数は増える可能性がある。火
山の寿命が長いことを考慮して
「過去1万年に遡って噴火した火
山を活火山」と再定義しようとい
う風潮もある
3)
。
<マグマの分類>
マントルから上昇してくるマグマ(岩漿)の大部分は玄武岩質マグマであり、海嶺型
やホットスポット型の火山噴出物は殆どが玄武岩質マグマである。これに対して島弧系
のマグマは一度に上昇するマグマの量が少なく、マグマが上昇する過程では温度低下に
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火成活動のタイプ 区分 例
海嶺型 海洋底中央海嶺 大西洋中央海嶺
東太平洋海膨
大陸地溝 東アフリカ地溝
プレート内型 ホットスポット ハワイ
サブダクション型 島弧 日本列島,南米アンデス
表1 地球上の火山の分布
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図2 日本の86 の活火山(気象庁)
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