24 4-2 治山対策事業 林業事務所では、山を守り森林を保全するために、森林法等に基づきさまざまな森林 保全対策を行っており、治山事業は、そのひとつとして林業的手法により斜面対策を行 うものである。治山事業の特色としては、以下のものが挙げられる。 ・山地災害などによって失われた森林の持つ機能を補い回復させるために、コンクリ ート等を用いた従来の工法に加えて、復旧治山事業として“自然にやさしい”木材 や間伐材等を組合わせることにより、環境負荷を低減させて、可能な限り森林に戻 す手法を積極的に採用している。 ・予防治山事業による森林の維持管理を積極的に行うことにより、土石流や落石等の 災害も防ぐ役割も併せて果たしている。 ・森林法の特色として、山地災害防止の他に、治山ダムのような水源涵養機能や共生 保安林整備事業(環境保全)に配慮した事業が挙げられる。 山地災害危険地区の選定には、保安林台帳、保安施設台帳、治山台帳、森林計画台帳、 空中写真、地形図、地質図等の既存資料および聞き取り調査等により行う。選定した危 険対象地区については、自然条件調査、公共施設等の実態調査、保安林指定状況の調査、 治山事業実施状況調査及び災害履歴調査を実施する。奥多摩町、檜原村などは特に急傾 斜地が多く、これらの地区の山腹斜面については山地災害防止のための森林回復を行っ ている現場が数多くある。 (1)山地災害対策の事例 平成 14 年 10 月1日 21 時 30 分頃に台風 21 号による連続雨量 154mm の集中豪雨により、 青梅市黒沢3丁目の裏山で高さ 25 m、幅 10 mの山腹斜面崩壊が発生し、人家(風呂場全壊) 及び倉庫の一部が破損した。崩壊箇所は、人家に隣接した崩壊であるため早急に復旧する 必要があり、緊急に治山事業として対策工事が実施された。当斜面の崩壊について被害調 査を行った結果、湧水の発生はなく、崩壊原因としては斜面の表土が幅 10m、長さ約 20 m、 平均深さ 1.2 m、崩壊土量約 250 ㎥の山腹斜面崩壊であることが確認された。 そこで、すべり面より深部を抑えることによる対策が有効であると判断され、斜面崩 壊対策として土 どどめこう 留工が設置された。また、表土の流出防止対策として、木 もくさくこう 柵工及び伏 ふせこう が設置された。土留工には、奥多摩町の治山復旧工事で発生した岩石を使用し、発生材 の有効利用を図っている。 対策工の種類と仕様は、以下の通りである。 ・No.1 土留工 雑石土留工   H= 1.5 m ・No.2 土留工 雑石土留工   H= 2.0 m ・柵工 木柵工     H= 0.45 m ・伏 ふせこう 植生ネット工