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図6 土石流の概念図
3)
扇状地堆積物
平面図
断面図
(2)土石流
1)土石流発生の誘因
・長雨・集中豪雨や
融雪
・地震
2)土石流の一般的形態
図7に「模式的な土
石流の形態区分図」を
示した。
図7 模式的な土石流の形態区分図(一部加筆)
5)
土石流の発生域は、勾配15度以上の斜面か渓床であることが一般的である。
崩壊や地すべりなどを原因として発生域に堆積した未固結堆積物が、地表水と混じ
って粥状の流体(参考例:火山泥流で約1.9t/㎥)となり、渓流を流下することで生じ
る。流下の速度は時速20~40kmに達する。流体が勾配10度を下回る低地に到達すると、
土石流中の土砂は堆積を始めるが、その際、扇状に流域を広げ、広い範囲にわたって災
害をもたらす。
土石流には、大規模な崩土が、渓岸の洗掘+渓床堆積物を伴い流下するもの、山ヒダ
で表層崩壊が樹木状に発生し、渓床堆積物を巻き込んで土石流になるもの、また、活火
山の山肌にあるルーズな火山噴出物が豪雨時に土石流となるものなど、さらに細分でき
る。土石流の主な被害例は、1999年広島豪雨水害での土石流、最近では三宅島や雲仙
普賢岳にみられる火砕流堆積物の2次的な発生や、前兆を察知して自主避難が成功した
2001年6月の熊本県阿蘇郡阿蘇町徳仏川で発生した土石流の例もあり、斜面災害のソ
フト対策の重要性も指摘されている。
■土石流 ※山腹が崩壊して生じた土石等又は渓流の土石等が水と一体となって流下する自然現象