- 17 -
3-2 川原の小石のでき方
川原で見かける石の多くは、角が取れて丸くなった石が多い。これらの石の多くは上
流から川の流れにより運ばれてきたもので、運ばれる途中で河床の岩盤や石同士がぶつ
かって、角が欠けて丸くなったと考えられる(図18参照)。このように考えれば、川原の
石が上流では角張っているが、下流に行くに従い角がとれて丸い形になる説明がつく。
しかし、下流域でも少数ではあるが角張っている石がみられる。これは、石が硬質な
ため割れた角が欠け難く、ほぼ上流の形のまま下流まで運搬されたり、下流域で石同士
がぶつかって割れたものと考えられる。
図18 上流から下流にかけての礫形の変化
また、上流域では直径2~5mの巨岩が河川中にみられるのに対し、下流域では握り
拳大以下の礫が多くみられる。これは、前述した河川勾配(=川の河床の勾配)と河川
の幅に関係している。
川が礫や砂などを運搬する能力は、その河川の河床の傾きや水の流れの勢いによる。
つまり、河川幅の狭い上流域では河床の傾きが急で流れも強いため、斜面を転がり落ち
る力に加え、その強い水流が大きい礫でも押し流すが、河川幅の広い下流域では河床の
傾きは緩やかで流れも遅いため、小さな砂や泥粒子などしか押し流す力はない。従って、
河川の流れに押し流されない粒子は、そこに留まり沈殿することになり、粒子の小さい
もの程、遠くまで(下流域~海域)まで運ばれる。
このようにして、河川は礫・砂・泥を選別して運搬・堆積している。
上流
中流
下流