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<土手のてんぷら伊勢屋>
旧山谷堀に沿った「土手通り」を三ノ
輪方面に向かって「吉原大門」を過ぎた
右側に「てんぷら伊勢屋」がある。
隣の「桜なべ中江」とともに有名店舗
で、休日には行列ができる。ちなみに
「土手」とは創業した明治の頃、店の前
が山谷堀になっていて、その土手があっ
たことから由来している。現在山谷堀
は、埋め立てられているが、店の前を通
る「土手通り」には往時の名残が偲ばれ
る。時代がかった建物だけでも一見の価値がるが(写真49)、香り良い胡麻油の香りが
暖簾の向こうから漂っている。どんぶりのふたからはみ出す海老の勇姿! からっと揚
がった天ぷらがどっさり載っており、海老美味しく、穴子
も柔らかい。天丼、海老丼 2,300円。
<仲見世人形焼>
浅草寺仲見世通りには、数多くの店舗が並んでいるが、
仲見世で人気の人形焼は、「亀屋」、「木村屋本店」が有名
である。木村屋本店では手焼の様子を見られる(写真50)。
「木村屋本店」は、浅草仲見世で一番初めに人形焼を売
り出したお店との事。手焼きながらの形にこだわってい
る。
「亀屋」も亀の裏側には、ちゃんと「かめや」と彫って
ある。
<両国ちゃんこ料理 川崎>
鶏ガラでとった醤油味のちゃんこ鍋「ソッ
プ炊き」(ソップは痩せ型力士の呼び名)は、
あっさりとした出汁にこだわり、人気を博し
ている。店は大正~昭和期に活躍した元幕内
力士・横手山により昭和12年に創業され、現
在は3代目である(写真51)。“手をつく”(勝
負に敗れる)ことから、鶏肉以外の肉料理
は力士には敬遠され、鶏のちゃんこが好まれ
た。
写真49 土手のてんぷら伊勢屋
(隣が「桜なべ中江」)
写真50 人形焼きの職人
(仲見世通り)
写真51 両国のちゃんこ店