47 <土手のてんぷら伊勢屋> 旧山谷堀に沿った「土手通り」を三ノ 輪方面に向かって「吉原大門」を過ぎた 右側に「てんぷら伊勢屋」がある。 隣の「桜なべ中江」とともに有名店舗 で、休日には行列ができる。ちなみに 「土手」とは創業した明治の頃、店の前 が山谷堀になっていて、その土手があっ たことから由来している。現在山谷堀 は、埋め立てられているが、店の前を通 る「土手通り」には往時の名残が偲ばれ る。時代がかった建物だけでも一見の価値がるが(写真49)、香り良い胡麻油の香りが 暖簾の向こうから漂っている。どんぶりのふたからはみ出す海老の勇姿! からっと揚 がった天ぷらがどっさり載っており、海老美味しく、穴子 も柔らかい。天丼、海老丼 2,300円。 <仲見世人形焼> 浅草寺仲見世通りには、数多くの店舗が並んでいるが、 仲見世で人気の人形焼は、「亀屋」、「木村屋本店」が有名 である。木村屋本店では手焼の様子を見られる(写真50)。 「木村屋本店」は、浅草仲見世で一番初めに人形焼を売 り出したお店との事。手焼きながらの形にこだわってい る。 「亀屋」も亀の裏側には、ちゃんと「かめや」と彫って ある。 <両国ちゃんこ料理 川崎> 鶏ガラでとった醤油味のちゃんこ鍋「ソッ プ炊き」(ソップは痩せ型力士の呼び名)は、 あっさりとした出汁にこだわり、人気を博し ている。店は大正~昭和期に活躍した元幕内 力士・横手山により昭和12年に創業され、現 在は3代目である(写真51)。“手をつく”(勝 負に敗れる)ことから、鶏肉以外の肉料理 は力士には敬遠され、鶏のちゃんこが好まれ た。 写真49 土手のてんぷら伊勢屋 (隣が「桜なべ中江」) 写真50 人形焼きの職人 (仲見世通り) 写真51 両国のちゃんこ店