48 8.地質図、土地条件図、断面図の読み方 私たちの身の周りには、私たちが住む街の地質や地形などを表す地図や断面図が多数 存在しているが、それぞれの資料がどのような目的で作られ、どのように使われている かは、それほど知られていない。 本章では、地図や断面図のうち、地質図、土地条件図、地質断面図について、何を表 現しているのかを説明しながら、それぞれの読み方について解説する。 8-1 地質や地形などを表す地図、断面図 一口に、地図、断面図といってもその種類は多種多様である。 <地図(平面図)> 一般図と主題図に大別されている。「一般図」は、地形などの地表状況をそれぞれの 縮尺応じて正確・詳細に図示したものであり、代表的なものに「地形図」がある。「主 題図」は、特定のテーマに沿って調査した結果を地形図上に表現した地図である。地形 図上に、表土下の地層分布や構造を示せば「地質図」に、土地の微細な高低と表層の地 質による地形分類を示せば「土地条件図」となる。 <断面図> 地図上の任意の直線を含む垂直な平面で地面を切ったとき、その断面に現れる地層や 土の性質の状況を表した図面である。このうち地層分布を表す図面は「地質断面図」と 呼ばれ、土木分野における重要な情報として広く用いられている。 8-2 地質図 39),40) 地質図は、地表面に現れた地質分布を示すものではなく、「表土の下にどのような種 類の岩石や地層がどのように分布しているか」を示している。地質図では、植生や建造 物、表土などは無視し、「基盤となる岩石や地層の分布」を表現している。 1~8の順に形成 (7は断層) 植生や建造物、表土を剥取る 地形図上に岩石や地層の分布 を示したものを地質図という 図37 地質図の成り立ち