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8.地質図、土地条件図、断面図の読み方
私たちの身の周りには、私たちが住む街の地質や地形などを表す地図や断面図が多数
存在しているが、それぞれの資料がどのような目的で作られ、どのように使われている
かは、それほど知られていない。
本章では、地図や断面図のうち、地質図、土地条件図、地質断面図について、何を表
現しているのかを説明しながら、それぞれの読み方について解説する。
8-1 地質や地形などを表す地図、断面図
一口に、地図、断面図といってもその種類は多種多様である。
<地図(平面図)>
一般図と主題図に大別されている。「一般図」は、地形などの地表状況をそれぞれの
縮尺応じて正確・詳細に図示したものであり、代表的なものに「地形図」がある。「主
題図」は、特定のテーマに沿って調査した結果を地形図上に表現した地図である。地形
図上に、表土下の地層分布や構造を示せば「地質図」に、土地の微細な高低と表層の地
質による地形分類を示せば「土地条件図」となる。
<断面図>
地図上の任意の直線を含む垂直な平面で地面を切ったとき、その断面に現れる地層や
土の性質の状況を表した図面である。このうち地層分布を表す図面は「地質断面図」と
呼ばれ、土木分野における重要な情報として広く用いられている。
8-2 地質図
39),40)
地質図は、地表面に現れた地質分布を示すものではなく、「表土の下にどのような種
類の岩石や地層がどのように分布しているか」を示している。地質図では、植生や建造
物、表土などは無視し、「基盤となる岩石や地層の分布」を表現している。
1~8の順に形成
(7は断層)
植生や建造物、表土を剥取る
地形図上に岩石や地層の分布
を示したものを地質図という
図37 地質図の成り立ち