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また、その岩の種類、年代、累重関係(地層の上下関係)、褶曲・断層などの「地質構造」
も併せて表現されており、単に岩石や地層の分布図ではなく、様々な種類の岩石や地層が
どのような相互関係で接しているか、どのような地質構造を有しているかを読み取ること
のできる表現になっている。学術、土木・建設、防災など様々な分野で利用されている。
図38に東京都西南部の地質図の一部を示した。品川付近を通る旧東海道を境に東側
には沖積層が分布し、西側にはロームを主体とする洪積台地が広がっていることがわか
る。また、洪積台地には、これらを開析(河川が削り取る)して樹枝状の小河谷が分布
しており、これらの谷にも河川性の沖積層が分布することがわかる。
8-3 土地条件図
39),40),41)
土地条件図は、「地形分類」「地盤高」「各種機関および施設」の要素で構成される。
地形分類は土地を、形態、成り立ちなどから分類しており、その土地が山地であるか、
台地であるか、低地であるか、また同じ低地の中でも高燥な土地か、低湿な土地か、あ
るいは自然地形をどのように人工改変しているかなどを示している。
地盤高は、特に平野部の地盤の高さを詳細に表現している。1mごとの地盤等高線の
ほか、要所には土地の標高が表示されている。これによって、土地がどの位の高さであ
るか、比高や傾斜がどうであるかなどについて読みとることができる。
各種機関および施設は、土地の開発や防災に関係している公共機関をはじめ、交通路
線、河川・港湾工作物、橋梁などを表示している。これらの配置状況によって、災害の
場合の避難指定所、病院、避難に役立つ堅牢な建築物などの位置を知ることができる。
図39に東京東北部の土地条件図の一部を示した。現在の皇居(江戸城跡)はその大部分が台
地で構成されている(東側は平坦化されている)。皇居前広場から東京駅丸の内口までは埋土
図38 地質図の例(「東京西南部(1/5万)」:旧地質調査所の一部に加筆)
ローム層3
ローム層1
ローム層2
沖積粘性土層
埋立土
沖積粘性土層
旧東海道→