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5月17日に近くになると浅草の男たちは祭りのことが気になり仕事に手がつかない
状態になる。三社祭りの場合は、担ぎ手同士がぎゅうぎゅう詰めに密着し、乱暴に担ぐ
ので、中の方で失神する担ぎ手もいる。神輿の担ぎ手にとっては、一番前に出ている中
央棒、通称「花棒」を担ぐのが一番の名誉であり、誰もが花棒を担ぎたがるので小競り
合いが起こることもあるが、一瞬でも担げば満足して離れるから、大喧嘩になることは
ない。また、江戸時代は女性が神輿を担ぐことが許されなかったが、今は担ぐことがで
きるようになった。
神輿は、神社が持っている本社神輿(宮神輿)のほかに、氏子の四十四ヶ町がそれぞ
れ大人用と子供用を持ち、さらに大きな商店が客寄せ用に自分の神輿を持ったりするの
で、祭りにはすごい数の神輿がでる。
祭りが始まるのは金曜日の夜の「宵宮」からで、土曜日には町会の神輿の連合渡御、
日曜日には本社神輿(宮神輿)が町を回る宮出しと、祭りには一連のストーリーがある。
観光客の皆さんには、夜の神輿が綺麗な金曜夜の「宵宮」がお薦めである。三社祭りは、
パレード的な要素が強く、ろうそく提灯や電気でライトアップされたお神輿が行列をな
し、3日間で約150万人の人出がある。
写真11 浅草の三社祭りの風景
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写真12 浅草神社の宮神輿
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一之宮 二之宮 三之宮