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4-8 日野駅 ~ 言わずと知れたトラックの街 ~
立川駅(H=約95m)を出た中央線は、暫くお世話になった武蔵野台地に別れを告げ、
中央線最長の低地となる多摩川低地を渡って日野台地の入口、日野駅(H=約100m)へ
と至ります。
1)8)13)
(1)駅概要
1)
日野駅は東京都日野市大坂上一丁目にある
JR東日本の駅であり、ホームは中央線上下
線の1面2線を有する高架駅です。明治23年
(1890)、地元有志の寄付により甲武鉄道の駅
として開業、明治39年(1906)鉄道の国有化
により国鉄の駅となり、昭和12年(1937)複
線化に伴い現在地に移転されています。平成22年度の一日平均乗車人員は約28,000人で
JR東日本管内で第146位となっています
12)
。日野駅は日野台地と多摩川の橋梁の間に位
置し、ホーム西側の一部が日野台地にかかっています。「日野」という地名の由来には
いくつかの説がありますが、その一つ「飛火野説」によれば、上古武蔵国国府が府中に
あった頃、日野台地の上に烽
のろしだい
火台を設けたという伝説から起こり、はじめ「火野」と書
いたが和銅6年(713)、「火野」を「日野」に改めたと言われています。
(2)周辺の街並み
1)
駅改札口左手(西側)にバスターミナルがあり、南側には中央高速道の高架橋があり
ます。昭和に入ってから大企業や大規模団地が進出してきていますが、河川や丘陵地が
多く、国土交通省より「水の郷百選」に認定されるなど自然も豊富です。近年宅地化が
進み、駅周辺には公共施設、商業施設や学校などが多く集まっています。
(3)日野市ーイヌの横顔
1)
日野市は北部を多摩川、市の中央部を浅川が流れており、大きく丘陵地、台地、低地
の3段から形成されています。市の西側に広がる日野台地は関東ロームの堆積した土地
です。浅川流域の右岸(南側)は多摩丘陵と呼ばれる丘陵地で、住宅地も多いところで
すが樹林地や湧水が残っています。浅川と多摩川に挟まれた低地は沖積低地で住宅地と
農地が共存する形で利用されています。上空から見た日野市域はイヌの横顔の形をして
おり、西を向いている犬の耳から後頭部そして首にあた
る部分を多摩川が流れ、南部に広がる多摩丘陵の北側を
西から流れてきた浅川と南東部で合流しています。非常
に水に恵まれた地域で以前は「多摩の穀倉」と言われる
ほど稲作が盛んでしたが、近年都市化が進むにつれ次第
にその姿が失われつつあります。
写真23 上空から見た日野市
1)
写真22 平成17年6月時の日野駅
(昭和12年(1937)移転開業以来の駅舎)