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4-10 高尾駅 ~ 高尾山への入口 ~
八王子駅(H=約119m)を出ると、中央線都内最後の高尾駅(H=約175m)までの約
5.5km区間を浅川支流南浅川に沿って、標高差56mの急勾配を一気に駆け上がります。
1)
8)13)
(1)駅概要
1)
高尾駅は明治34年(1901)国有鉄道の「浅川駅」として開業、昭和36年(1961)に
「高尾駅」と改称されました。駅名の由来は高尾山および真言宗の名刹「高尾山薬王院
有喜寺」から「高尾」と名付けられたと言われます。その後昭和42年(1967)に京王
高尾線が開通し、現在ではJR東日本の中央本線と京王電鉄の高尾線が乗り入れ、両者
の接続駅となっています。JR東日本の平成22年度一日平均乗車人員は約31,000人、ま
た京王電鉄の平成21年度の一日平均乗降人員
は約28,000人で高尾線内で一番多いところで
す
12)
。社寺風の北口駅舎は関東の駅百選に選
定されています。3,4番線ホーム東京寄りに
は高尾山にちなむ天狗の石像があり、また2
番線ホームの屋根支柱に太平洋戦争中の米軍
による機銃掃射の弾痕が残されています。
(2)周辺の街並み
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駅北側は国道20号線(甲州街道)が東西に走り、南浅川を挟んで山地が迫っているた
め商業施設等は少なく、武蔵野墓地(多摩御陵)や林業試験場の浅川実験林等の環境施
設や墓地が多く分布しています。駅南口は京王線開業以前は閑散としていましたが、そ
の後宅地開発や大学の移転が進み、現在では多くの住宅、商業施設等が集まっています。
(3)高尾山
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高尾駅の西方約2.5kmに標高600m程の高尾山があります。山の地層は小仏層と呼ば
れ、約7千万年前の中生代白亜紀に海底に堆積した地層からなっています。この層は砂
岩、粘板岩、頁岩、千枚岩、チャートよりなり、これらの岩石が細かく入れかわって、
地層の傾斜はほぼ垂直で北西の方向に帯状に伸びており、激しい地殻変動を受けたこと
を物語っています。長い間この小仏層からは化石が産出されませんでしたが、近年アン
モナイトやイノセラムス等の示準化石が発見されるようになりました。
写真27 高尾山
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写真26 社寺風の高尾駅北口