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(3)次世代の燃料電池の導入
天然ガスの燃料電池は、乾電池や蓄電池(バッテリー)と異なり、水素と酸素の化学
反応から電気を作り出す高効率の発電装置で、次世代のコージェネレーションとして期
待されています。現在では、家庭での発電や燃料電池自動車への導入と普及が進められ
ています。
燃料電池の仕組みは、図20に示すとおりで、天然ガスの主成分であるメタンから水
素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させて、水の電気分解とは逆の反応で電気を作
ります。反応の過程で発生する熱は有効利用することが可能で、使用した天然ガスの約
40%が電気に、約40%が温水や蒸気になり、全体で80%が有効利用できる省エネルギー
に優れた装置です。天然ガスを送り続けることで発電ができるので、発電効率も高く、
発電の際に生成される物質は水だけです。燃料電池は、天然ガスを燃焼させて、その高
温の熱エネルギーを利用するものとは異なる使い方です。
燃料電池の種類は、PAFC(リン酸型燃料電池)、PEFC(固体高分子型燃料電池)、
SOFC(固体酸化物型燃料電池)、MCFC(溶融炭酸塩型燃料電池)などがあり、現在
も開発が進められています。
図20 燃料電池の仕組み
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