1 1.空港の概要 東京国際空港は、北緯35度33分12秒、東経139度46分52秒の東京都大田区羽田空港にあり ます。この空港は24時間運用されている国土交通大臣が設置・管理の空港です。空港の敷 地面積は約1,522haもあり、埋立てによる拡張工事が繰り返され、成田空港を超える日本最 大の面積を誇る空港です。その面積は、所在地がある東京都大田区全体面積の約1/4を占め ています。元は東京23区の中で最も広い区は世田谷区でしたが、羽田の沖合拡張事業が続 いた結果、大田区の面積は世田谷区を抜いてしまいました。通称は「羽田空港」と呼ばれ、人々 に親しまれています。なお、「羽田空港」は飛行機ではなく、所在地の地名に由来しています。 昭和6年(1931)8月25日に滑走路1本のみの「東京飛行場」として開港以来、一時的 にアメリカ軍の管理下に置かれましたが、昭和27年(1952)に日本へ返還されました。そ の後、旅客数の増加に合わせてターミナルの移転・拡張・増設が幾度となく行われ、平成 22年(2010)年1月時点までは、国内線主体でありながら旅客利用者数は世界でも有数の 規模を誇り、全日本空輸と日本航空、スカイマーク等の国内線ハブ空港として活躍しまし た。平成22年(2010)10月21日に国際線ターミナルが開業し、同年10月31日から国際線 定期チャーター便として運航されてきた便は定期便に格上げされました。平成27年(2015) には、東京国際空港は世界第5位(羽田より旅客数が多い空港は、アメリカのアトランタ 空港、中国の北京首都国際空港、アラブ首長国連邦のドバイ国際空港、アメリカのシカ ゴ・オヘア国際空港)の旅客数を誇る空港となりました。年間の航空機発着回数は約44万 7000回、旅客利用者数は約7,525万人でそれぞれ成田国際空港をしのぎ国内最大で、航空 貨物取扱量は約108.8万トンで成田国際空港に次いで国内第2位です。皇族や内閣総理大臣 等が政府専用機を使用する場合や、国賓や公賓が専用機や特別機で訪日する際はほとんど 東京国際空港を使用しています。これは、成田空港に 比べ都心に近く、沿道の警備が容易に対応できるから です。このため、東京国際空港内には、専用施設とし てVIP機専用スポット(V1・V2)や旅客ターミナルビ ルとは別棟の中に貴賓室が設けられています。ちなみ に、東京国際空港そのものは国土交通省の所管する国 有の空港ですが、ターミナルビルは日本空港ビルディ ングの運営する「民間」の建物です。 東京国際空港へのアクセスも年々整備され、現在で は、東京モノレール、京浜急行空港線、バス等が利用 されています。また、 JR東日本は「羽田空港アクセス線」 (羽田空港と都心結ぶ新線)について、平成26年(2014) 8月19日にプレス発表しました。この新線は、羽田空港 図1 羽田空港アクセス線構想図 1)