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2.過去の津波・高潮被害
(1)高潮
東京都は、太平洋に面する東京湾の湾奥に位置しているため、台風による水害を受け
やすい地形です。また、高潮の影響を極めて受けやすい地域であるのに加えて、ゼロメ
ートル地帯を抱えているため、ひとたび高潮水害が発生した揚合には甚大な被害を受け
る地域でもあります。かつては、キティ台風の来襲時(昭和24年(1949)8月~9月〉な
どに、江東地区・葛西地区及び港南地区などのゼロメートル地帯において、浸水被害が
発生しましたが、海岸保全施設の整備の進展により、近年では高潮による大きな被害を
受けることはなくなりました。
ここでは、東京都における主要水害についてまとめました。
①大正6年高潮災害(大正6年(1917)10月)
最低気圧952.7hPa、最大風速39.6m/s
(東京)を記録した台風により明治以来
最大となる高潮が発生し、東京都内の広
い地域が浸水しました。南砂や月島、築
地の一帯でほとんどの家屋が浸水し、大
小の船舶が打ち上げられるなど、死傷者・
行方不明者1,524人(又は1,324人)を出す
大災害となりました。
②キティ台風(昭和24年(1949)8月)
最低気圧956.5hPa、最大風速33.2m/s
(東京都八丈島)を記録したキティ台風
は、強風を伴ったほか、満潮時と台風の
通過が重なったため、東京や横浜におい
て大きな高潮被害が発生しました。堤防
を乗り越えた海水による堤防背面の洗掘
や堤防への流木の衝突等により堤防が決
壊し、死傷者・行方不明者122人(又は
160人超)を出す大災害となりました。
写真 2 大正6年高潮災害(現在の銀座付近)
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写真 3 キティ台風(錦糸町)
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