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1)潮の満ち引きによる影響
海面の高さはおおむね1日に2回、ゆるやかに高くなったり低くなったりしていま
す。これが潮の満ち引きで、図3に示すように月や太陽の引力、また地球が太陽の周り
を回る遠心力によって、海面が引っ張られて発生します。
太陽・月の引力 太陽・月 地球 遠心力
図 3 潮位の発生メカニズム
潮位差(満潮と干潮の水位の差)は、地球に対する太陽と月の位置が変化しているた
め、時と場所によって大きく異なります。潮位差は通常15日周期で変化し、その大き
さから「潮回り」と呼ばれる以下の5種類の潮の名前がつけられています。
〇大潮:干満の差が大きい状態で、新月や満月の前後数日間。
〇小潮:干満の差が小さい状態で、月が半月となる前後数日間。
〇中潮:大潮と小潮の間の期間。
〇長潮:月が上弦・下弦を1 ~ 2日過ぎた頃の小潮末期。
〇若潮:長潮の翌日(潮の干満差が再び大きくなる状態)。
潮回りは、小潮→長潮→若潮→中潮→大潮→中潮→小潮と繰り返されます。
写真 1 潮位の差の例
3)
なお、東京では大潮の時の潮位差は、2m程度あります。
2)低気圧による影響
高潮が発生する原因には、図4に示すように「①台風などの低気圧による海面の吸い
上げ」と「②風による吹き寄せ」があります。
①気圧低下による海面の吸い上げ
台風が接近して気圧が低くなってくると、それに応じて海面が持ち上がってきます。
これが「吸い上げ効果」です。外洋では、気圧が1hPa(ヘクトパスカル)低くなると