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(武蔵野台地)の上にあります。築城する際、攻め込まれた時の守りを考えて池と川と
いう自然地形の地の利を活かして防御されていたようです。
図 18 石神井城跡周辺の地形図と空中写真
三宝寺池は石神井川の主水源となっている池で、かつては武蔵野三大湧水池の一つ
で、台地の地下水が湧出していました。現在では周辺地域の急速な都市化により、地下
水が減少したため、井戸から地下水を汲み上げて池の水を満たしています。面積は約
2万4千m
2
、水深は平均で2m程度と言われています。古来から禁猟地として定めら
れて草木が繁茂しており、浮島にある群落が昭和10年(1935)に「三宝寺池沼沢植物
群落」として国の天然記念物に指定されています。氷河期に存在していた寒冷地植物の
カキツバタがあり、大型の水生植物を刈り取って成育を促す取り組みが行われていて群
落の回復を図っています。
ひょうたん池は、ハンノキやヤナギ等の湿性林、ヨシやカキツバタ等の抽水植物、こ
れらを利用するトンボ類が生息する環境の保全・回復を目的としたエリアとして整備さ
れています。
写真 38 三宝寺池沼沢植物群落 写真 39 ひょうたん池